Chapter 0
金色妙見宮と金色集落

金色妙見宮と金色集落

金色妙見宮は、八面山の麓にある金色集落の人々によって、
代々守られてきた祈りの場です。

さらに古くには、八面山で修行する山伏たちがこの地を拠点とし、
寝泊まりをしながら行き来していたとも考えられています。

地域のおじいちゃんたちにとっても、ここはただの「神社」ではなく、
子どものころによく遊びに来た、身近な場所でもありました。

かつては祭りがあり、神楽が舞われ、
人が集い、この場所を中心に地域の時間が流れていました。

けれど、高齢化が進むなかで、
気づけば木々は伸び、斜面は急に危うさを増し、
地域の人にとっても、妙見宮へ登ること自体がひと苦労になっていきました。

やがて祭りは途絶え、神事も斜面の下で行われるようになり、
地域の外の人はもちろん、地域の内側においても、
妙見宮の存在は少しずつ遠いものになっていきました。

金色集落でインタビューを重ねるなかでも、
聞こえてきたのは、この場所をどうすることもできないことへの、
やるせないため息でした。

それでも、この場所には、かつて確かに人の営みがあり、
守り継がれてきた記憶があります。